内部監査での総合評価は内部監査を阻害するかも
内部監査報告書への総合評価の記載要否の続き。各部署の総合評価は、その部署の上長の仕事である。上長は、各部署の業績に責任があり、評価をするだけでなく、支援・指導も行う。だから、各部署の責任者は正直に上長に現状を報告する。内部監査報告書に総合評価をA/B/C/Dで表示する場合、内部監査では評価だけされて支援はない。会社をよくするための内部監査だから各部署は協力するが、評価されるなら格好をつけたくなるだろう。
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内部監査報告書への総合評価の記載要否の続き。各部署の総合評価は、その部署の上長の仕事である。上長は、各部署の業績に責任があり、評価をするだけでなく、支援・指導も行う。だから、各部署の責任者は正直に上長に現状を報告する。内部監査報告書に総合評価をA/B/C/Dで表示する場合、内部監査では評価だけされて支援はない。会社をよくするための内部監査だから各部署は協力するが、評価されるなら格好をつけたくなるだろう。
内部監査報告書への総合評価の記載要否の続き。内部監査報告書に総合評価をA/B/C/Dで表示すると、Aが最も優れ、Dは最も劣ることを表す。ところが、監査対象部署は多様である。製造部が経理部より優れているなどという序列は付けようがないし、意味もない。営業部同士でも、商品や市場が異なり、比較はできない。したがって、相対評価をしないように、評価結果は文章で表現するのがよい。比較できると、人は比較したくなるものだ。
※この理屈では、例外があり得る。たとえば、金融機関は多くの支店を持つが、支店に関する防犯・防災とミス・不正防止に限定した相対評価は可能だし、意味がありそうだ。
内部監査報告書への総合評価の記載要否の続き。内部監査はリスクに焦点を当てる。監査対象部署がリスクを適切に識別し、対応しているかを調べる。一方、部署の総合評価はそれだけではなく成し遂げた成果や未来の可能性にも焦点を当てる必要がある。リスクに焦点を当てた内部監査をもって「総合」はないだろう。断片的な評価の羅列であり、それぞれの評価結果は文章で表現するほかない。特記事項に限定すれば、短い文章で説明できる。
内部監査報告書に総合評価を記載すべきかどうかという議論が私の近くであった。A/B/C/Dなどで分類するという。金融機関では記載する企業が多いと聞いた。私は、記載すべきではないと考える。理由は、「総合」ではなく内部監査で見た部分だけであること、監査される部署は千差万別で一律の基準で評価できないこと、評価する責任は各部署の上長にあること、である。他の部署と比較せず、言葉による評価結果を内部監査の結論とすべきだ。
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