J-SOX対応で仕事が増えたとしたら
SCORモデルのJ-SOXへの利用を考えている。SCORモデルを使うと、文書作成者が業務担当者から手順を聞き取るときの効率化ができる。では、効率が悪いと結果はどうなるのか。手順を聞き洩らすので、統制が弱いように見える。そこで、手順を追加してしまい、業務の負荷は増える。今まで業務のミスが問題になっていないのに、J-SOX対応により仕事が増えたとしたら、こんなことが想定される。それは、うまくやれば効率化できる。
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SCORモデルのJ-SOXへの利用を考えている。SCORモデルを使うと、文書作成者が業務担当者から手順を聞き取るときの効率化ができる。では、効率が悪いと結果はどうなるのか。手順を聞き洩らすので、統制が弱いように見える。そこで、手順を追加してしまい、業務の負荷は増える。今まで業務のミスが問題になっていないのに、J-SOX対応により仕事が増えたとしたら、こんなことが想定される。それは、うまくやれば効率化できる。
SCORモデルのJ-SOXへの利用を考えている。SCORモデルには懸念もある。J-SOXへの利用という目的に対して、SCORモデルは重過ぎることが心配だ。J-SOXは財務報告の信頼性向上が目的であるが、SCORモデルは通常想定される管理を網羅している。故に、J-SOXのためだけにSCORモデルを導入することはお勧めしない。新規事業の業務設計やERP導入を主目的としてSCORモデルを導入し、ついでにJ-SOXにも使うぐらいがよさそうだ。
SCORモデルのJ-SOXへの利用を考えている。自社の既存プロセスを元にして別のプロセスを可視化する方法もある。ところが、実在する既存プロセスは業務特性に応じて合理化され、たとえばプロセスの一部が省かれていたりする。それだけを元にして別のプロセスを可視化すると、省かれた部分の検討が漏れる。その分だけ手直し・手戻りが増え、時間が掛かる。標準的なプロセスを網羅したモデルを併せて見ると、短時間でよい結果に至る。
SCORモデルのJ-SOXへの利用を考えている。業務担当者の説明する手順を文書作成者が聞き取ったまま文書化すると、業務と説明のバリエーションが掛け合わさって、文書は千差万別になる。その状態で、他のプロセスと効率を比較したり、他の良い点を取り入れたりすることは難しい。一方、参照モデルに沿って手順をまとめると、その表現や粗さが整うので、他のプロセスと比較したり、良い点を取り込んだりすることがしやすくなる。
SCORモデルのJ-SOXへの利用を考える。業務処理統制の状況は、業務フロー、業務記述書、RCMの三文書で表現し、業務を可視化する必要がある。このときに、文書作成者は業務担当者から手順を聞き取るのだが、その時に参照モデルと照らし合わせながら進めると、聞き取りの効率は格段に上がる。参照モデルには通常必要な手順が網羅されているので、文書作成者は聞く前に手順を想定し、業務担当者の説明を聞き漏らすことを予防できる。
SCORモデルをご記憶だろうか。業務プロセスの参照モデルであり、サプライチェーンマネジメントのツールとして1990年代後半に登場した。当時、これから必須の知識になると思ったが、日本では、その後の10年ほどで忘れ去られてしまったようだ。一方、欧米では引き続き研究が進んだと聞いた。ERPベンダが「ベストプラクティス」と表現したものは、SCORモデルが由来だと思う。そのSCORモデルのJ-SOXへの利用について連載する。
※SCOR model:Supply Chain Operations Reference modelであり、APICS supply chain councilが提唱したサプライチェーンプロセスの参照モデル。
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