2024年12月 9日

内部監査部門と監査役の上下関係

内部監査部門と監査役の関係を考えている。内部監査には国際基準があり、公認内部監査人(CIA)などの制度もある。ところが、監査役には監査役監査基準はあるが、認定制度等はない。内部監査も皆が国際基準に精通しているわけではないが、監査役はそれ以上に能力や考え方のバラツキがあるだろう。ただし、株主に対する責任が、真摯さの支えになっている。社内での立場は監査役が一段上になるが、協力関係においては対等でありたい。

2024年12月 8日

内部監査部門と監査役の協力関係

内部監査部門と監査役は協力すべきだ。内部監査と監査役監査は、対象や目的は異なるが、活動や情報が重複する部分があり、効率と効果の観点から、協力することが期待される。そのために、たとえば毎月あるいは必要都度、情報共有のための会合を開催する例がある。そのとき、内部監査部門から監査役へと同じぐらいの情報量を、監査役から内部監査部門へ提供すると、内部監査部門の監査がレベルアップし、経営層の関心に合ってくる。

2024年12月 5日

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、か?

兵庫県知事選の関連を取り上げる。一時、中小企業の社長が巻き込まれてマスコミの標的になった。ポスターの印刷を70万円余で請け負った広告業の経営者だ。SNSで、手柄を盛って主張したのはいただけないが、マスコミが叩かなければ気にする人は少なかっただろう。選挙活動が無償でも寄付にあたるなら、マスコミが一部の有力候補を取り上げて無償で報道するのは下心からなのか。マスコミは、公平に事実を伝えることが倫理であろう。

2024年12月 4日

健康被害拡大防止が後回しになった理由

小林製薬の紅麹原料による健康被害の問題を振り返っている。行政への報告は「因果関係が明確な場合に限る」という方針を採ったと書いたが、これは安全管理部が消費者庁のガイドラインを読み解いて得た解釈だという。消費者庁のガイドラインにあいまいなところがあるとして読み解く作業をしたようだが、であれば消費者庁に確認すべきだった。この解釈が独り歩きし、健康被害の拡大防止より原因究明を優先する行動へとつながった。

2024年12月 2日

信頼性保証本部は事業部に煙たがられなければならぬ

小林製薬の紅麹原料による健康被害の問題を振り返っている。小林製薬には信頼性保証本部がある。その役割は、ビジネスを推進する事業部(製造部門・販売部門)に対して、製品の品質と安全性を担保する観点からのブレーキで、製薬会社には必須の機能である。ところが、議事録等を見ると、信頼性保証本部が行政への報告等に関して業績への影響を考えたことが分かる。役割を果たして喧嘩していれば、社長の判断は違ったかもしれない。

2024年12月 1日

規程に定めた「危機管理本部」は設置されなかった

小林製薬の紅麹原料による健康被害の問題を振り返っている。小林製薬には危機管理規程が制定されていた。重大な製品事故等があったときに危機管理本部を設置することが、その規程に定められている。紅麹原料による健康被害に関しては、早い段階から社長は製品回収や終売の可能性に言及していたという。その時点で原因不明であっても、重大な製品事故には違いないはずだ。危機管理本部で集中的に検討すれば、結果は違ったであろう。

2024年11月30日

行政への報告は「因果関係が明確な場合に限る」?

小林製薬の紅麹原料による健康被害の問題を振り返っている。健康被害の最初の情報から製品回収までに2カ月以上かかったのは原因調査をしたからなのだが、そうしたのは、行政への報告は「因果関係が明確な場合に限る」という方針を採ったからだ。この文言は規程等にはないが、なぜかこれを何度も確認したのに誰も疑問を言わず、相談した弁護士も妥当という意見だった。同一製品で問題が連続したら、原因は不明でも因果関係は明白だ。

2024年11月29日

紅麹の問題の被害拡大防止よりも優先したこと

小林製薬の紅麹原料による健康被害の問題を振り返っている。健康被害の情報を最初に受けてから情報開示や製品回収までに2か月以上かかったのだが、その間に彼らがしていたのは原因究明である。問題の製品ロットを絞り込み、原料のロットを突き止め、それに意図しない成分が含まれていたことが判明し、ようやく情報開示と製品回収を決断した。それよりも、健康被害の拡大防止が先だろうと部外者は思う。部外者の感覚が大事なのだ。

2024年11月28日

紅麹の問題は、なぜ取締役会に報告しなかったのか?

小林製薬の紅麹原料による健康被害の問題を振り返っている。健康被害の情報を最初に受けてから、その情報開示や製品回収開始までに2か月以上がかかった。その間に、月次の取締役会が開催されているが、この件を議論していないようだ。社外取締役がこの問題に関するレポートを読んだのは、情報開示の前日だったという。問題は、取締役会長も社長も多くの経営幹部も知っていたのに、取締役会で話題しなかったのが不思議でならない。

2024年11月27日

紅麹の問題で小林製薬に欠けていた消費者視点

小林製薬の紅麹原料による健康被害の問題について振り返る。紅麹関連製品による重篤な健康被害の報告は、一件目を受けてから20日も経たずに6件になり、うち4件は医師からだった。社長は、普段にくらべて異常に多い情報の報告を受け、幹部の会議では回収・終売の可能性に言及したという。なのに、消費者への注意喚起や行政への報告はその後一ヶ月以上されなかった。メーカが消費者の視点を持っていないと、こんなことが起こり得る。

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